□水木さんの紙芝居・貸本時代
プロの画家では食えないから、当時はとにかく色々な仕事をやりましたよ。そして、何とか紙芝居の貸元に認められ超多忙(まるで自転車操業)な生活を送る中、怪奇物・鬼太郎が人気シリーズとなった。とは言え、テレビ等の娯楽が増えだすと紙芝居の衰退は早い。それで、貸本漫画の世界へと行く訳です。
貸本時代は生活のために漫画を描いて、出版するという感じでしたよ。でも結局は、貸本は貧乏な時代のもの。日本が急速に豊かになると“買って読む”時代となり、これが貸本屋の没落の原因ですよね。

□漫画家への転身
漫画の描き方なんて誰にも教わらなかったけど、ごく自然に描けました。結局、絵に話を吸い寄せていっているだけの事。教わる必要はなかったですね。私は漫画に向いていたのか、回転が早かった。
漫画家志望や漫画描きは多かったけど、絵が上手くても話が書けないとか、面白い漫画を描く人は本当に少なかった。漫画は小説も絵も兼ね備えていないといけないからね。当時の面白い漫画家と言えば手塚治虫さんとか5〜6人で、あとはなかなかいませんでしたね。