□誕生!漫画家・水木しげる
小さい頃はただ絵を描きたかった。でも、絵が好きだと言うだけじゃ食えないから、実用的(漫画を描くとか)な事をしないといけないんですよ。
子供の頃は4コマ漫画とかはありましたけど、ストーリーのあるものはなくて。だから、今でこそ何でもないけど、小説に対抗出来るストーリー漫画(長編漫画)は新発明でね。あれで読者もかなりつきましたよね。でも、生活のために長い漫画を描いた人は多かったですけど、その次も面白いものをとなると難しくてね。
私は貸本からスタートしたけど、割と早く出版社から話が来ましたね。新人で良いのがいないか探す人がいて、面白いから直ぐ描いてと言う事で。水木さんはストーリーが書けたから、どうにか食えたんですね。

□売れっ子漫画家の苦悩
悪者をやっつける強い少年の話はよくあるけど、鬼太郎は普通の少年じゃないからね。読者もそういう所に惹かれたんじゃないですか。
鬼太郎がヒットして暮らしが豊かになったのは良いけど、忙しかった。徹夜の問題がしょっちゅう出ていましたね。漫画少年の連中は、みんな徹夜自慢なんですよ。3日やったとか、俺は4日だとか。睡眠に弱い水木さんは1日がやっとですよ。だから長生き出来たの。3〜4日徹夜するような人は、みんな早くに死んじゃったね。徹夜なんて良くないですよ。

※「漫画少年」とは
昭和23年〜30年までの8年間で101冊発行された、漫画雑誌。投稿コーナーを設けた事もあり、漫画家を目指す少年達から熱烈な支持を受ける。活躍した連載作家には、手塚治虫、寺田ヒロオ、石ノ森章太郎、藤子不二雄等がいる。