2003年11月末より、全国4会場で『桜瀬琥姫原画展』が開催されました。
1年振りとなったトークショー&サイン会に艶やかな着物姿で登場した桜瀬琥姫氏は、熱狂的なファンの温かい歓声に迎えられ、楽しいひと時を過ごされたようです。

arch-club.netでは、トークショー(東京・新宿アルタ 2003.12.28)で披露された2003年9月発売の画集「星讀(アストロラーベ)」や最新作版画、現在そして今後の仕事について等、興味深いお話の数々をご紹介致します。どうぞ、お楽しみに!

  仕事ばかりして過ごして来ましたが、とりあえずは元気に今日までやって来れました。
最近は着物がとても好きで、これはアンティーク着物(古着)なんですが、普段着の仕立なので楽なんですよ。
実は名古屋会場も着物で、その時に「名古屋限定です」といってしまったんですけど(笑)、だんだん着慣れてきたので今日も着物にしてみました。

編集部の方にも驚かれたんですが、作品を集めてみたら「こんなにあったんだ」という感じでした。
実はタイトルですごく悩みまして。最初は“ノスタルジア”という案もありましたが、中にはノスタルジックな雰囲気ではない作品もありますし。
前は万華鏡でカレイドスコープだったから、何とか同じ様な雰囲気で漢字を使ったものにしたいけど、表紙は『一挺天符〜星〜』に決めていたので余りかけ離れたタイトルにはできないなと…。そんな時にお気に入りの和時計の本(沢田平著)をパラパラめくっていたら、“全円儀”という言葉が出てきたんです。アストロラーベ(天体観測儀)を日本語でそう呼んでいたみたいで。でも全円儀じゃ色気がないので、タイトル候補のひとつだった“月読(ツクヨミ)”を、星を読む道具で“星読(ホシヨミ)”にしました。で、あえてレトロな雰囲気にしようと“讀”という旧漢字を使ってみたりして。悩んだ甲斐がありました(笑)。

 
  □『一挺天符〜星〜』(イッチョウテンプ〜シン〜)について

「一挺天符〜星〜」は、「二挺天符」シリーズで太陽→月ときたので、やはり次は星かなと考えていました。ただ、星は当初和時計ではなく、古式銃で描く予定でした。しかし、時計と銃は同時に日本に入ってきたものですが、平和の象徴である時計に対して、銃は破壊の象徴…それを上手く消化出来なくて悩みました。そして悩み抜い末、古式銃ではなく、ひとつの天符で昼と夜両方の時を刻む、一挺天符式和時計で“二面性”を表現してみたら面白いんじゃないか…と気付きました。そこからイメージを膨らませて、明けの明星と宵の明星をオッドアイで表現して、更に「時を告げる者」という意味で体の一部を鳥にしてみました。一挺天符は二挺天符の旧式なので、星(シン)は、前作・太(タイ)&月(ユエ)のお姉さん的存在であろうと考え、少し大人びた顔つきにしてみました。背景に咲くのは百花の王・牡丹です。


□『鍵管理人』(キーマスター)について


これは「ともかく明るい感じで」という依頼で描いた、コミッカーズのリニューアル第1号の表紙なんです。
鍵は神秘的で大好きなアイテムのひとつです。よく古い鍵を集めたりしているんですが、それらを見ていると「何に使われたんだろう?」「何をしまっていたのかな?」などとワクワク考えちゃいます(笑)。“鍵=何かを開けるもの”という事で、リニューアルに相応しいんじゃないかと思い描いてみました。同時に数字も神秘的ですね。彼女の鍵や帽子の数字を見ると「何の数字?」って思っちゃいませんか?


□『Tir・na・n`g〜ティル・ナ・ノグ〜』について


これは、ウルトラジャンプで新連載として描き始めた漫画の第1回目ピンナップイラストです。色々あって結局読み切りになってしまいましたけど、私の骨董好きを活かして描き始めたものだったんです。主人公は300年この姿のまま、たった一人で生きている女の子。ここでも好きな時計を使っていますが、鎖が絡まっていて針がないんです。これは“止められた時”という意味で、この姿のまま成長したくても出来なかった女の子を表現しています。

 
イラスト関連では、去年描いたゲーム「ANUBIS」(コナミ鰍謔阡ュ売中)の「はいだらっ!」キャンペーン・ポストカードを1点描き下ろしました。それから、モンコレ(モンスター・コレクション)も描かせて頂いていて、小説「ホーリィの手記」(富士見ファンタジア文庫/著:加藤ヒロノリ、原案:安田均)もいよいよ来年の春に最終巻が出る事になりましたので、お楽しみに。


 
  □仕事の合間にやっている息抜きは何ですか?

一番の息抜きは猫に遊んでもらう事なんですけど、やっぱり合気道ですかね(笑)。


□3Dに興味はありますか?

絵を描く時って2Dを前提に描いているので、それを立体にするという事にはやっぱりすごく興味があります。是非、機会があればやってみたいです。


□どんな画材で描いているんですか?

画材は特に珍しいものは使っていません。多用しているのは、ホルベインの水彩絵具です。


□物語を描く予定はありますか?


あります(笑)。来年の春にはきっと何かしら発表出来ると思っていますので、もうちょっとだけ待ってください。媒体等詳細については、お楽しみに。


□猫をモチーフにした作品を描く予定はありますか?


猫をメインにというのは今の所ないんですけど、チャンスがあれば何処にでも登場させたいと思っています。

今年は、春頃から連載が始まる予定の漫画を無事始めて、無事終りたい(笑)というのが一番大きい目標ですね。詳細は早く発表したいんですが、もう少しだけ待ってください。それから、いつか海外(大好きなドイツ等)で個展が出来たら幸せですね。あとは、また新しく版画も出したいですよね。


この後、待ちに待ったサイン会がスタートしました。いつもと趣の違う和服姿の桜瀬琥姫先生と少しでも近くでお話したいという、熱烈なファンの長い列がいつまでも続いていました。
  
 
今回のプレゼント番号
桜瀬琥姫サイン色紙
s281203